
C言語でLinuxカーネルの関数呼び出しをトレースするKernelSharkの使い方を教えて!
こういった悩みにお答えします.
本記事の信頼性
- リアルタイムシステムの研究歴12年.
- 東大教員の時に,英語でOSの授業.
- 2012年9月~2013年8月にアメリカのノースカロライナ大学チャペルヒル校コンピュータサイエンス学部(2021年の世界大学学術ランキングで20位)で客員研究員として勤務.C言語でリアルタイムLinuxの研究開発.
- プログラミング歴15年以上,習得している言語: C/C++,Solidity/Vyper,Java,Python,Ruby,HTML/CSS/JS/PHP,MATLAB,Assembler (x64,ARM).
- 東大教員の時に,C++言語で開発した「LLVMコンパイラの拡張」,C言語で開発した独自のリアルタイムOS「Mcube Kernel」をGitHubにオープンソースとして公開.
こういった私から学べます.
KernelShark
KernelSharkとは,カーネルの関数呼び出しのグラフを追跡し,呼び出された関数とタイムスタンプを表示するツール「trace-cmd」の出力をフロントエンドで読み取るGUIツールです.
"trace-cmd record"と"trace-cmd extract"は,trace.datファイルを作成します.
KernelSharkはこのファイルを読み,そのデータのグラフとリスト表示を作成します.
Ubuntu 22.04 LTSの場合は,以下のコマンドでKernelSharkをインストールしましょう!
1 |
$ sudo apt-get install kernelshark |
Linuxカーネルの関数呼び出しをトレースするKernelSharkの使い方
Linuxカーネルの関数呼び出しをトレースするKernelSharkの使い方を紹介します.
trace-cmdの使い方は,以下の記事が参考になります.
C言語で「Hello World!」を表示するコードは以下になります.
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/* * Author: Hiroyuki Chishiro * License: 2-Clause BSD */ #include <stdio.h> int main(void) { printf("Hello World!\n"); return 0; } |
このコードをビルドした後にtrace-cmdで実行します.
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$ gcc hello.c $ sudo trace-cmd record -p function_graph -F ./a.out plugin 'function_graph' Hello World! CPU0 data recorded at offset=0x712000 0 bytes in size CPU1 data recorded at offset=0x712000 0 bytes in size CPU2 data recorded at offset=0x712000 0 bytes in size CPU3 data recorded at offset=0x712000 1499136 bytes in size CPU4 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU5 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU6 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU7 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU8 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU9 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU10 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU11 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU12 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU13 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU14 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size CPU15 data recorded at offset=0x880000 0 bytes in size |
lsコマンドで確認するとtrace.datファイルが作成されていることがわかります.
1 2 |
$ ls a.out* hello.c trace.dat |
KernelSharkでtrace.datファイルを読み込むには,以下のコマンドを実行します.
1 |
$ kernelshark trace.dat |
KernelSharkが起動して,以下のように表示されます.
CPU3でa.outが実行されていること,Linuxカーネル内にあるmutex_unlock/kmem_alloc_cache関数等を呼び出していることがわかります.
このように,KernelSharkを利用することで,Linuxカーネルの動作がわかります.

KernelSharkの解説動画
KernelSharkの解説動画です.
KernelSharkを深く理解したい場合は,是非観ましょう!
trace-cmdのデモ動画はこちらです.
まとめ
C言語でLinuxカーネルの関数呼び出しをトレースするKernelSharkの使い方を紹介しました.
KernelSharkを利用することで,Linuxカーネルの動作がわかりました.
Linuxカーネルを知りたいあなたはこちらからどうぞ.
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